初代タイガーマスク 佐山サトル&ストロングスタイルプロレス公式
一般社団法人 初代タイガーマスク後援会
《倉島信行デビュー25周年記念試合 シングルマッチ 20分1本勝負》
●倉島信行(ドラディション)
VS
◯スーパー・タイガー(ストロングスタイルプロレス)
(12分45秒 タイガー・スープレックス・ホールド)
オープニングを飾るのは、藤波が95年に興した「無我」でデビューした倉島信行の25周年記念試合である。「無我」とは、藤波が学んだクラシカルなレスリングを前面に押し出したテーマ性の強い自主興行。“プロレスの神様”カール・ゴッチからも教えを受けた藤波は、ゴッチが学んだイギリスのビリー・ライレー・ジムを踏襲するレスラーを招聘するなどしてプロレスの原点を追求してきた。ここでいう原点とは、ライレー・ジムで培われたキャッチ・アズ・キャッチ・キャン、ランカシャー・スタイルのレスリングであり、このスタイルに魅せられたひとりが倉島だった。
倉島はデビュー以来、プロレスの基本と第1試合にこだわり続け、今大会でもオープニングマッチに登場する。第1試合は大会の流れを決定づける位置づけであり、倉島はプライドをもってその役割を果たしてきた。
相手は、藤波を継ぐ形で日本のジュニア界に革命を起こした初代タイガーマスクの一番弟子であるスーパー・タイガーだ。スーパーは現在、佐山サトル主宰のストロングスタイルプロレスでレジェンド王座に君臨。藤波と佐山の遺伝子が第1試合で激突するという、単なる第1試合以上に意味合いが強いカードとなった。やはり第1試合は大会の流れを左右する重要なポジション。その事実を倉島が身をもって体現する試合になりそうだ。
“無我の門番”と呼ばれ、第1試合に誇りを持つ倉島が25周年試合を実施。
しっかりとした握手からゴングが鳴り、手4つからグラウンドでアキレス腱を取り合い、倉島が一瞬の隙を突いてヒザ十字に持ち込めばスーパーもすぐに上体を起こしてスリーパーホールドへ。倉島はクラッチを切って腕固めからキーロックへと持ち込み、スーパーがボーアンドアローに捉えようとしたところを倉島が暴れて脱出。クリーンブレイクし、濃密なレスリング戦を見た観衆から大きな拍手が起きる。
スーパーの低空タックルを上からがぶって止めた倉島がヘッドロックで絞り上げるが、スーパーがロープまで押し込んでブレイクさせ、首投げからサッカーボールキック。倉島は体固めに来たスーパーをヘッドシザースで捕らえ、アームロックから再びキーロック。スーパーは足を取りながらローリングして逆片エビ固めに捕らえるも、倉島はロープブレイク。
スーパーは倉島が起き上がるなり小刻みなローキック連打で畳み掛け、水面蹴りで倒してヒザ十字。倉島がブレイクするとスーパーがロー、ミドルとキックを上下に散らしながら打ち込み、倉島がよろけたところへビクトル式ヒザ十字。
倉島はこれをアキレス腱固めで切り返し、ゴツリと鈍い音が響くヘッドバッドから河津落とし、ジャーマン・スープレックス・ホールド、STO、腕十字と試合を決めに行くが、スーパーが上体を起こしてエビ固め。これをキックアウトした倉島がロープに飛ぶが、スーパーはフライングニールキックでカウンターし、ネックチャンスリーからチキンウイングフェイスロック。倉島が強引に起き上がって振りほどくと、スーパーが振り向きざまのハイキックを側頭部に叩き込み、ランニングニーで追い打ちしてからタイガースープレックス・ホールドで叩きつけて3カウント。
試合後、2人はしっかりと握手を交わし互いに座礼。スーパーが倉島の手を掲げ上げて健闘をたたえた。